トピックス
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日本酒への理解を深め、日々の接客やご提案に活かすため、
「和食日和おさけと」では定期的に酒蔵見学研修を実施しています。
今回は神奈川県伊勢原市にある「吉川醸造」に訪れ、
一般には公開されていない蔵内を特別にご案内いただきました。
酒造りが行われている蔵内を見学したあと、吉川醸造が手がける日本酒をじっくりと試飲。
酒造りの工程や設備はもちろん、
蔵が歩んできた歴史、新体制での挑戦、そして個性豊かな蔵人のみなさまについても、たっぷりとお話を伺いました。
案内が始まる前には、「基本的にNGなしなので、何でも聞いてください!」という心強いひと言も。
普段はなかなか聞くことのできない酒造りの裏側や、これまでに起きたさまざまなエピソードまで、楽しく学ばせていただきました。

大正元年(1912年)創業。
丹沢大山の麓、神奈川県伊勢原市に蔵を構える酒蔵です。
地元で長く親しまれてきた「菊勇」と、
新たな感性で酒造りに挑む「雨降(あふり)」
の2つの銘柄を醸しています。
酒造りに使用するのは、
丹沢大山から流れる良質な地下伏流水。
ミネラル豊富な硬水と
この土地ならではの風土を生かしながら、
伝統を大切にした酒造りと、
既成概念にとらわれない新たな挑戦を続けています。
※吉川醸造では、一般のお客様を対象とした蔵見学は実施しておりません。
今回は研修として、特別に蔵内をご案内いただきました。
蔵見学では、酒造りの工程や設備をたどりながら、吉川醸造が現在の体制になるまでの歩みについても伺いました。
吉川醸造が新たなスタートを切ったのは、約5年半前のこと。
後継者不在などの事情から酒蔵の継続が難しくなるなか、米屋を原点に持つシマダグループが事業を承継しました。
再出発当時、蔵に残っていた蔵人はわずか1名。
限られた人数でも酒造りを続けられる環境を整えるため、さまざまな設備を導入し、蔵の再建を進めてきたそうです。
実際に蔵内を歩いてみると、工程ごとに多種多様な機械が並んでおり、
普段なかなか目にすることのない設備にスタッフたちも興味津々。
設備を取り入れた背景や実際の使い方について、一つひとつ説明していただきました。


吉川醸造の酒造りに欠かせないのが、丹沢大山の恵みを受けた豊富な井戸水です。
蔵には3本の井戸があり、主に使用しているのは深さ15〜16メートルほどの比較的浅い井戸。
井戸の中には、この地域で採れる青緑色の「日向石」があり、
その周辺には強い磁場が発生しているという、少し不思議なお話も伺いました。
汲み上げられる水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含む、硬度150〜160ほどの硬水。
蔵内には、水に含まれるカルシウムによって白くなっている箇所もあり、
その成分の豊富さを実際に目で確かめることができました。
吉川醸造では、精米を終えた状態の酒米を仕入れ、蔵の井戸水を使って洗米を行っています。
比較的浅い井戸のため、台風や大雨の際には水が濁ってしまうことも。
そこで、水に含まれる不純物を取り除くための濾過設備を導入し、水質を整えてから使用しています。豊かな井戸水の恵みを生かしながら、天候による変化にも対応できる環境が整えられていました。
また、印象的だったのが、精米歩合90%という、米をあまり磨かない酒造りへの挑戦です。
日本酒は「米を磨くほどよい酒になる」と思われがちですが、
吉川醸造では米を削りすぎず、その個性や複雑な味わいを生かす酒造りにも取り組んでいます。

見学中には、蔵にハトが住み着いたり、
さまざまな動物が遊びに来たりするというエピソードも。
現在は使われていないタンクを
「こちらはオブジェです」と紹介してくださるなど、
ところどころにユーモアを交えた案内で、
酒造りについて学びながら楽しく蔵内を巡ることができました。

蔵内には、酒造りを支えるさまざまな設備や機械が並んでおり、それぞれの役割や使い方について丁寧にご説明いただきました。
そんな機械に囲まれた蔵の一角で見つけたのが、蔵人のみなさんが作業中に聴くためのレコード。酒造りの現場でレコードが流れているという、どこか意外な光景が印象に残りました。
酒造りのなかで実際に起きた失敗談や、
個性豊かな蔵人のみなさんにまつわるエピソードも、ユーモアを交えながらたっぷりと聞かせていただきました。
お話を伺っていると、蔵人同士の距離の近さや、みなさんが楽しみながら酒造りに向き合っている様子が伝わってきます。
吉川醸造の自由で個性豊かなお酒は、こうした明るい蔵の雰囲気から生まれているのかもしれません。

蔵内をじっくりと見学したあとは、試飲へ。
さまざまなお酒を飲み比べながら、それぞれの味わいや造りの違いを確かめていきました。
試飲のお供に仕込み水もいただきました。
「雨降(あふり)」の名は、古くから「雨降り山」として知られる丹沢大山に由来しています。
ラベルに使用されている「雨降」の文字は、
酒造りの神様を祀る大山阿夫利神社の神職の方に揮毫していただいたものだそうです。

「菊勇」はもちろん、発売されたばかりの商品を含む
「雨降」シリーズ6銘柄を試飲させていただきました。
お話を伺う中で登場したお酒を「探してきます!」と、その都度わざわざ取りに行ってくださる場面もあり、さまざまなお酒を前に会話もさらに弾みました。
なかでも印象に残ったのが、「雨降 Dr. Sugiyama」。
芳醇辛口の味わいはもちろん、「Dr. Sugiyama」という名前にも吉川醸造らしい遊び心が感じられました。
今回の研修では、吉川醸造が歩んできた歴史や酒造りへのこだわり、多彩な設備について学ぶだけでなく、
蔵人のみなさんの個性や、蔵全体の明るく自由な雰囲気にも触れることができました。
丹沢大山の豊かな水を生かしながら、伝統を受け継ぐ「菊勇」と、
既成概念にとらわれず新たな味わいに挑み続ける「雨降」。
実際に造りの背景を知ったうえで味わうことで、それぞれのお酒が持つ魅力をより深く感じることができました。
今回学んだことを各店舗へ持ち帰り、これからのお酒のご案内やサービスにも生かしてまいります。
「雨降」は、「和食日和 おさけと」の店舗でもお楽しみいただけます。
取り扱い銘柄は店舗や時期によって異なりますので、ご来店の際はぜひスタッフへお気軽にお尋ねください。
吉川醸造のみなさま、貴重なお時間をいただきありがとうございました!